空が広くて高くて、空気が乾いて澄んでいて、草や木の香りを風が運んできます。落ち葉が降り積もり、最初は嵩のあった落ち葉も日に日に乾燥して嵩が減り、風で飛ばされてゆきます。秋の終わりを感じる景色です。ここはわたしのお気に入りの場所のひとつ。視界の開けた牧草地から見える北海道駒ヶ岳の佇まいは、うっとりするような美しさです。スフィンクスに喩えられるのも納得です。足元には柔らかな牧草が生えていて、ふかふかしていて土は柔らかい。土の上を踏みしめた感触がこんなに気持ちいいなんて。足元にはたんぽぽがこれ以上ないふわふわした綿毛を纏っていて、風に吹かれたら今にも旅立ちそうです。球体を象っているカンペキさは自然の神秘だなと思います。たんぽぽは、どの風をつかもうかとタイミングを見計らっているように見えました。そろそろ冬支度を始めるころになりました。